鈴木市長に意見書を提出しました②問題点

意見書ともに、提出しました資料について記載します。

(別紙1)「浜松市子ども育成条例案」に対する市民の意見
 
パブリック・コメントへの参加を呼びかけて集まった子どもと大人の意見82件分(コピー)を届けました。


(別紙2)「浜松市子ども育成条例案」の問題点


「浜松市子ども育成条例案」の問題点


 本資料は、「浜松市子ども育成条例案」に対して「市民の会」メンバー及び一般市民から寄せられた多数の意見をもとにして、条例案の問題点を整理したものです。

1.条例を制定する意義や目的が明確でない
 市長は就任以来、「こども第一主義」の理念の下、マニフェストに掲げた子ども施策の実現に取り組んできたはずです。その評価は別にせよ、条例が存在しなくても、子ども施策を実施していくことができるのは明らかです。ところが、「今、なぜ」この条例をわざわざ制定する必要があるのかが、市民に対してほとんど説明されていません。条例案の内容も全般的に具体性を欠いているので、このような条例を制定する意義がますますわかりません。

2.子どもの権利が保障されていない
 「子どもの尊厳」や「子どもの最善の利益の考慮」が基本理念に謳われているにもかかわらず、その後の条項には、子どもの育ちの保障や子どもの権利に関する規定が全くありません。また、子どもがいじめ、虐待、不登校等の問題に直面した場合の救済方法も示されていません。子どもの権利に関しては理念倒れであり、この条例では、子どもが安心して遊び、学び、育つことが保障されません。

3.大人の目線で子どもに対して一方的に役割を課している
 子どもに権利を保障していないにもかかわらず、社会的に自立した大人に成長することを求めるなど、子どもに対して役割が一方的に押し付けられています。子どもが安心して豊かに過ごすことのできるよう、まずは大人が保障すべきです。また、ユニセフが提唱しているような「子どもの参加や意見の尊重」を具体的に盛り込むことも必要です。なお、子どもといっても幼児に対して、「生きる力を身に付ける」ことや「自己の向上に努める」ことを求めるのはそもそも無理があります。

4.子育て支援に関して具体性のある規定がない
 この条例は、次世代育成支援行動計画の基本理念として位置づけられていますが、子育て支援に関する方向性や方策が示されていません。特に、市が具体的にどのような役割を果たすのかが明らかではありません。この条例を見る限り、子育て支援に関しては、市が積極的な役割を果たすことを回避し、保護者、学校、事業主等にその役割を転嫁しようとしているように思われます。

5.「ふれあう日」を設定する理由や必要性が不明である
 唐突に「はままつ子どもとふれあう日」の制定が宣言されており、これを設けることの理由や必要性がわかりません。あくまで「ふれあう日」をきっかけとして、市民に子どもとふれあってもらうことを狙いとしているようですが、そうであれば、わざわざこのような日を制定する意味はほとんどありません。そのようなきっかけを他人から与えられなくても、市民(主に保護者)は子どもとふれあいたいと思っていますし、できる限りふれあうようにしています。必要なのは、「ふれあう日」のようなきっかけではなく、大人と子どもがふれあいたい時にそうすることを保障してくれる条件整備です。

6.進行管理や評価の仕組みが設けられていない
 この条例に基づく市の施策の進行を管理したり、各主体の取り組みを評価したりするための仕組み(例えば、評価委員会の設置)が設けられていません。また、子どもの権利救済や擁護のためのオンブズパーソン制度の設置も盛り込まれていません。条例案自体が具体性を欠いている上に、条例の有効性を担保するための仕組みが欠如しているため、条例が形骸化することは必至です。

(浜松市子ども育成条例について考える市民の会・作成)




意見書への回答
意見書への回答(2009-10-28 13:07)

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